【新唐人日本2011年1月14日付ニュース】1月12日、今年初の飛び降りの悲報が、再びフォックスコンから伝わってきた。直前に、工場側から精神疾患を疑われ辞職を迫られた25歳の女性エンジニアだ。これは昨年、フォックスコンで少なくとも従業員14名が自殺あるいは自殺未遂を図った後、今年に入って一件目の飛び降り事件である。
香港の新聞“東方日報”の報道によると、自殺したのは大卒女性、王玲(音訳)さん。王さんは、2005年からフォックスコンの深セン工場でエンジニアとして働いていた。先週金曜日の朝、王さんの兄の住む、深セン市塩田区のマンション自宅の10階から飛び降りて亡くなっているのを発見された。
王さんの兄、王純峰(音訳)によると、王さんは先週の火曜日、フォックスコン深セン龍華工場から辞職を求める通知をメールで受け取った。王さんの兄は、“妹は以前、台湾から来た上司に、侮辱とさえいえる言い方で厳しく非難されたそうだ”ともらした。
さらに兄によれば、王さんはその日の午後、工場側から深セン康寧病院の深セン市精神衛生センターに送られ、翌日、また治療を受けた。医者は統合失調症だと王さんに告げたという。
その次の日、王さんの上司は王さんを家に送り届けると言い張った。王さんの行為は正常ではないので、家族に王さんを河北省の実家まで引き取ってもらい、治療を続けてほしいというのだ。もし3ヶ月以内に完全に治れば、即座に復職させると工場側は約束していたと、兄は語る。しかしその24時間後、王さんは飛び降りで命を落とした。
王さんの兄嫁は、“私たちが知りたいのは、健康で明るかった大卒の女の子がなぜ自殺という決断をしたのか、それだけ”と涙ながらに訴える。王さんは一切遺書を残さず、フォックスコンは秘密保持という理由で、王さんが工場で使っていたパソコンを家族に閲覧させていない。
王さんの家族はまた、王さんが生前、仕事のプレッシャーで悩んでいたと明かした。
深センフォックスコンは12日、この情報を認めた。亡くなった女性は、2005年に入社したエンジニアで、フォックスコン深セン龍華工場で働き、最近は有給の療養休暇中だった。フォックスコンはすでに家族に対し、哀悼の意を表し、善後処理の協力も申し出ている。
昨年始まったフォックスコンの連続飛び降り事件は、広く関心を呼んだ。“公益時報”は、フォックスコンの従業員に心理指導を行った職員の話として、当時、若年従業員489名に、明らかな自殺傾向が見られたと報道。
昨年5月末に発生した12件目のフォックスコン飛び降り事件以降、大陸当局は、フォックスコン飛び降り事件の報道禁止令を実施。それまで報道していたメディアも全て、関連情報の報道をストップした。一部のフォーラムだけが、更なる飛び降り事件の情報を伝えた。昨年11月5日以降、フォックスコン飛び降り関連のニュースは、大陸メディアではすぐさま削除されている。
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